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TED BROWN & BRAD LINDE SEXTET / TWO OF A KIND [Jazz Tener Sax]

*TED BROWN & BRAD LINDE SEXTET / TWO OF A KIND

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ted brown(ts), brad linde(ts),
michael kramer(g), dan roberts(p), tom baldwin(b), tony martucci(ds)
2012/Bleebop Records/

1 Smog Eyes (T.Brown)
2 Slippin' And Slidin' (T.Brown)
3 Opus #42, Third Movement (Tchaikovsky)
4 Pound Cake (L.Young)
5 My Melancholy Baby(E.Burnett)
6 Background Music (W.Marsh)
7 Preservasion (T.Brown)
8 Body And Soul (J.Green)
9 Lennie's (L.Konitz)

テッド・ブラウン(ts)の年齢を見て驚いてしまいました。
1927年12月生まれとあるので現在89歳、今作の録音時には85歳でした。
「え~、嘘でしょう」
余りに元気なので信じられません。

テッド・ブラウンはレニー・トリスターノ門下生です。
リー・コニッツやワーン・マーシュの後ろに隠れていてまったく目立っていません。
1950年代に1枚のリーダー作を残しただけで表舞台から消えてしまいました。
それが2000年代になってヨーロッパのクリス・クロスやスティープル・チェース・レーベルから突然の復活です。
半世紀ぶりに70歳を過ぎてからの再登場ですね。
何年前だったか?・・・CDショップでテッド・ブラウンの名前を見た時に驚いたのを思い出します。
「まだ演ってたんだ・・・」ってね。

相手役のブラッド・リンデ(ts)は初見ですがテッドと互角に渡り合っています。
聴きどころは二人のテナー奏者の競演にあります。
トリスターノ派独特のかすれたような、くぐもったようなサックスの音色も楽しむことが出来ます。
今作の狙いはハッキリしています・・・名盤「コニッツ&マーシュ」のリメイク版です。
敬意を表してコニッツとマーシュの曲も取り上げていますね。

さて今作は掘り出し物の一枚です。
知的でクール・・・トリスターノ派そのものの音楽が詰まっていました。
ここにギター奏者が一枚加わったのが大きいです。
マイケル・クラマー=ビリー・バウアーです。
今になっても色褪せないサウンドはトリスターノの先進性と偉大さを物語っています。
以後の多くのジャズ・メンに与えた影響は図り知れません。
素晴らしい一枚だと思います。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

MILES DAVIS QUINTET / MILES IN TOKYO [Jazz Trumpet]

*MILES DAVIS QUINTET / MILES IN TOKYO

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miles davis(tp), sam rivers(ts),
herbie hancock(p), ron carter(b), tony williams(ds)
1964Rec/CBS/

1 Introduction
2 If I Were A Bell
3 My Funny Valentine
4 So What
5 Walkin'
6 All Of You

私は今作をマイルスの数ある作品の中でも上位にランクしています。
それは取りも直さずサム・リバース(ts)の参加にあるからです。
リバースがトニー・ウィリアムス(ds)の紹介でマイルス・クインテットに参加したのわずか数か月間か。
マイルスとは音楽の方向性が違うのですぐに退団してしまいます。
リバースはこの後フリー・ジャズへと向かう。
ジョージ・コールマン(ts)からウェイン・ショーター(ts)へのほんの短いつなぎ役でした。
リバースが参加したたった一枚のマイルスの正規盤だけに本当に貴重です。
本作は元々はラジオ放送用に録音されたもののようで、これがレコード化されたのは5年後の1969年でした。

確かにリバースには異質、違和感があってマイルスが目指すグループの一体感とは違っています。
この時のリバースの心中はいかに?
でもリバースのお蔭でそれぞれがフリー・フォームに展開しています。
特にハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスのリズム・セクションが素晴らしいです。
これはもうモダン・ジャズ史上最高のリズムセクションと言えます。
(4)「So What」のバッキングを聴いているだけで背筋がゾクゾクとして寒気が襲ってくるほどです。
とんでもない演奏だと思います・・・もう「最高!!」のひと言です。
全体を通してアグレッシブなハンコック、カーター、ウィリアムスが凄い。

(まじめ系)

ATSUSHI KANNO TRIO / ATSUSHI KANNO TRIO [Jazz Trumpet]

*ATSUSHI KANNO TRIO / ATSUSHI KANNO TRIO

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atsushi kanno(tp), takashi ohashi(p), nobuyuki yano(b)
2017/YPM/

1 Swing That Music (1936/H.Garland&L.Armstrong)
2 Black And Tan Fantasy (1927/D.Ellington)
3 Liza (1929/G&I.Gershwin)
4 Lotus Bloosom (1967/B.Strayhorn)
5 You're Getting To Be A Habit With Me (1932/H.Warren&A.Dubin)
6 It Don't Mean A Thing (1932/D.Ellington&I.Mills)
7 Should It ? (1930/N.H.Brown&A.Freed)
8 Under A Blanket Of Blue (1933/J.Livingston&M.Symes, A.J.Neiburg)
9 Riverboat Shuffle (1924/H.Carmichael)
10 Do You Know What It Means To Miss New Orleans (1944/E.De.Lange&L.Alther)
11 Panama (1912/W.H.Tyers)
12 There's A Small Hotel (1936/R.Rodgers&L.Hart)
13 West End Blues (1928/J.K.Oliver)

帯中の”ほろ苦い大人のトラッドジャズ”に惹かれました。
トランぺッターの菅野淳史さんの名前は初めて聞きました。
中堅のジャズ・マンで名前を知らないというのも珍しいです。
私はモダン・ジャズが中心ですが菅野さんはデキシー&ニューオリンズ畑なので接点がなかったかも。

ここはトラディショナルな選曲が魅力だと思います。
1920年代と30年代が中心でめったに聴けない曲も入っていました。
大橋高志(p)さんと矢野伸行(b)さんとのドラムレス・トリオでのんびり、ゆったりとした気分になりました。
心地良いトランペットの音色と軽やかなスイング感の雰囲気は昼下がりのコーヒー・タイムにピッタリです。
静かに時間が流れていきます。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム

(くつろぎ系)

RICHARD WYANDS TRIO / LADY OF THE LAVENDER MIST [Jazz Piano]

*RICHARD WYANDS TRIO / LADY OF THE LAVENDER MIST

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richard wyands (p), peter washington (b), kenny Washington (ds)
1998/Venus Records/

1 Softly,With Feeling
2 Flamingo
3 When I Falling Love
4 So In Love
5 Lady Of The Lavender Mist
6 I Didn't Know What Time It Was
7 Born To Be Blue

リチャード・ワイアンズ(p)は1928年生まれの現在88歳になりますが健在のようです。
ワイアンズもまた日本のピアノ・トリオ・ファンには人気のあるピアニストだと思います。
私にとってもアルバムを見かければ「買ってみようか」と思わせる人でもあります。

ワイアンズは地味で控えめで目立たない存在ですね。
若い頃はエラ・フィッツジェラルドやカーメン・マクレーの歌の伴奏を務めていました。
裏方に徹して、決して目立たず、ただひたすらに歌手をバック・アップする。
それがワイアンズの地味な性格にもピッタリだったのではないかな。
そんなこともあってキャリアの割にはリーダー作も少なくて多分10枚に満たないと思います。
寡作家の典型なのでどの作品も貴重になります。

ケニー・バレル(g)やジジ・グライス(as)との共演で徐々に知られるようになってきました。
大向こうを唸らせるようなプレイはしないけれど、そのやさしくて暖かい音色に惹かれます。
今作はワイアンズの最後のリーダー作です。
ワイアンズが70歳、日本で制作されました。
安心感、安定感があって日本のジャズ・ファンの趣味の良さを感じさせる一枚です。

(中間系)

ONDREJ STVERACEK QUARTET / SKETCHES [Jazz Tener Sax]

*ONDREJ STVERACEK QUARTET / SKETCHES

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ondrej stveracek(ts),
klaudius kovac(p), tomas baros(b), gene jackson(ds)
2016/Stvery Records/

1 Song Nr.226 (O.Stveracek)
2 I Want To Talk About You (B.Eckstine)
3 Bunch Of Gypsies (T.Baros)
4 Sketches (O.Stveracek)
5 It Could Happen To You (J.V.Heusen)
6 Three Card Molly (E.Jones)
7 Before Then (G.Jackson)
8 Lullaby-dedicated to my daughter Anna (O.Stveracek)

ondrej stveracekは初見ですが何と読めばいいんでしょうか。
チェコのベテラン・テナー奏者だそうです。
サングラスにテナー・サックスとくればブルー・ノートのハンク・モブレー(ts)を思い出します。
いかにも1960年代のジャケットが気に入って手が伸びました
馴染み深いジーン・ジャクソン(ds)の名前があるのも安心感がありました。

聴いてみると中身はモブレーではなくてジョン・コルトレーンそのものでした。
1曲目からグイグイと飛ばす飛ばす、その圧倒的なスピード感に引き込まれてしまいました。
2曲目になるとまるでコルトレーンの「バラード」を聴いているみたいに錯覚してしまうほどです。
サウンド的に一番面白かったのは(3)「Bunch Of Gypsies」で独特のお国柄が出ていました。
表題曲の(4)「Sketches」はピアノとドラムスのコンビネーションが凄いです。
アルバム全体を覆う重量感があります・・・コルトレーン・カルテット風味がする。
全員が一丸となって切れ味鋭く強靭なタッチで迫ってくるという表現が一番ピッタリときます。
チェコのジャズ・シーンの底力を見た思いがしました。

ジーン・ジャクソンの名前は東京のライブ・ハウスでもよく見かけます。
大の親日家のようでしょっちゅう日本にも来ているようです。
私も何度か聴く機会がありました。
当然ながら彼の多彩なドラミングも聴きどころになります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

HAMIET BLUIETT QUARTET / WITH EYES WIDE OPEN [Jazz Baritone Sax]

*HAMIET BLUIETT / WITH EYES WIDE OPEN

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hamiet bluiett(bs)
ed cherry(g), jaribu shahid(b), nasheet waits(ds)
2000/JUSTIN TIME/

1 Africa / Island Song
2 Sing Me A Song Everlasting
3 Monk & Wes
4 Enum
5 Song For Camille
6 1529 Gunn Street
7 Mystery Tune
8 Deb
9 With Eyes Wide Open

バリトン・サックス奏者をもう一人紹介したいと思います。
ハミエット・ブルーイットは1940年生まれの現在76歳ですが健在のようです。
ジャズ史上現在まで最もパワフルで過激なバリトン奏者として知られています。
彼もまたチャールス・ミンガス(b)グループの出身で60年代には前衛の洗礼も受けています。

忘れていけないのが「ワールド・サキソフォン・カルテット」でサックス4本のユニークなグループで人気がありました。
ハミエット・ブルーイット(bs,afl,acl)、ジュリアス・ヘンフィル(as,ss,fl)、オリバー・レイク(as,ts,ss,fl),、デヴィッド・マレイ(ts,bcl)の4人です。
前衛的なサックス奏者の集まりなので実験的要素もあったと思います。
重量級で個性的なサウンドは意外なほどファンに受け入れられました。

なお日本にも「サキソフォピア」というグループがあるので機会があれば是非聴いてみて下さい。
井上 "JUJU" 博之(sax)、岡 淳(sax)、緑川 英徳(sax)、竹内 直(sax)の4人です。

今作は全9曲、オリジナルが7曲、残り2曲がミンガスの同僚だった故ドン・プーレン(p)の作曲です。
ところどころでフリー・トーンをまじえながら重量感のあるバリトン・サウンドが楽しめます。
エド・チェリーのギターがまた良くて各所で輝きを放っていてその存在感は抜群です。
変幻自在に展開するナシート・ウェイツのドラミングとジャリブ・シャヒドのベース・プレイも聴きどころになります。
ギター・トリオをバックにしてのバリサクのワン・ホーン・アルバムとしては聴かせる1枚です。

(まじめ系)

JOEY DeFRANCESCO + THE PEOPLE / PROJECT FREEDOM [Jazz Organ]

*JOEY DeFRANCESCO + THE PEOPLE / PROJECT FREEDOM

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joey defrancesco(org,key,tp),
jason brown(ds), troy roberts(ts,ss), dan wilson(g)
2017/Mack Avenue/

1 Imajine (Plelude) (J.Lennon)
2 Project Freedom (J.Defrancesco)
3 The Unifier (J.Defrancesco)
4 Better Than Yesterday (J.Defrancesco)
5 Lift Every Voice And Sing (J.W.Johnson&J.R.Johnson)
6 One (J.Defrancesco)
7 So Near, So Far (T.Crombie&B.Green)
8 Peace Bridge (J.Defrancesco)
9 Karma (J.Defrancesco)
10 A Change Is Gonna Come (S.Cooke)
11 Stand Up (J.Defrancesco)

最近オルガンが聴きたくなったこともあってチャールス・アーランドにハマっています。
そんな中で久々にジョーイ・デフランチェスコを買ってみました。
オルガンに関してはどうしてもジミー・スミスやジャック・マクダフのイメージが強過ぎます。
それでデフランチェスコにしてもスマートさがネックになってほとんど聴いてなかったです。
色んな楽器が演奏できるマルチプレイヤーの器用さもマイナスだったかもしれません。
今作はいわゆる有名なスタンダードが1曲も入っていなかった。
それが「かえっていいかな」と思って手が伸びました。

全11曲は自身のオリジナルが7曲とその他4曲の構成です。
予想は正解だったです。
サウンド的に最先端のオルガン・ジャズが聴けました。
題名が「Project Freedom」です。
デフランチェスコはこういうものがやりたかったんですね。
広がりのあるサウンドでデフランチェスコのスタイルにはピッタリだと思いました。
サックスのトロイ・ロバーツは初めて聴いたけど中々いいと思いました。
私的ベストは最もジャズっぽい雰囲気を持つ(9)「Karma」でこれはカッコ良かったです。

ジャズ・オルガニストの層は薄いけれどデフランチェスコは経験、実力も十分です。
知名度も高いのでやはりこの人にはオルガン・ジャズの先頭に立って引っ張ってもらいたい。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

NICK BRIGNOLA QUARTET / THE FLIGHT OF THE EAGLE [Jazz Baritone Sax]

*NICK BRIGNOLA QUARTET / THE FLIGHT OF THE EAGLE

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nick brignola(bs),
kenny barron(p), rufus reid(b), victor lewis(ds)
1996/Reservoir/

1 Gerrylike
2 The Flight Of Theb Eagle
3 Diz
4 A Pretty Girl Is Like A Melody
5 Body And Soul
6 Rollerblades
7 My Foolish Heart
8 The Last Of Moe Hegan

私はジェリー・マリガン(bs)からジャズに入ったのでバリトン・サックスには特別の思い入れがあります。
ニック・ブリグノラ(bs)は1936年ニューヨーク生まれ、2002年に65歳で亡くなっています。
バークリーに入学、その後ウディ・ハーマンやバディ・リッチのビック・バンドで働いたようです。
多分、その他あちこちのビック・バンドで演奏したと思います。
バリトン・サックスは希少価値があるので特にビック・バンドには引っ張りだこになる傾向があります。

ブリグノラはペッパー・アダムス、ジェリー・マリガン、ハーリー・カーネイを上手くミックスしたスタイルです。
最もオーソドックスなバリトン奏者と言えます。 クラリネットやソプラノの名手でもあります。
ジェリー・マリガン以降、一番すんなりきたバリトン奏者です。
どの作品を聴いても期待を裏切らない安定感のあるプレイヤーだと思います。

さて今作はブリグノラのワン・ホーン作品でバックはケニー・バロンのレギュラー・トリオです。
バリトン一本で通していることもあって私的には一番好きなアルバムです。
ブリグノラにしては持ち味の熱っぽさを抑えて、大人しく落ち着いて吹いています。
1曲目に「Gerrylike」とあるようにマリガンに近いクールな表情を見せてくれました。
特に「Body And Soul」や「My Foolish Heart」のバラード奏法が聴きどころになります。
それぞれの演奏も良く、音色もクリアなので完成度が高いです。

(中間系)