So-net無料ブログ作成

FRANCESCO CAFISO QUARTET / SEVEN STEPS TO HEAVEN [Jazz Alto Sax]

*FRANCESCO CAFISO QUARTET / SEVEN STEPS TO HEAVEN

s98.jpg

francesco cafiso(as),
andrea pozza(p), aldo zunino(b), nicola angelucci(ds)
2006/Venus/

1 Seven Steps To Heaven
2 Green Chimneys
3 Yesterdays
4 On THe Trail
5 My Funny Valentine
6 Milestones
7 Crazeology
8 Skylark

さかのぼって聴くフランチェスコ・カフィーソの第五弾です。
先日紹介したVenusレーベルの「NEW YORK LULLABY」の録音が16歳の6月、
Camレーベルの「HAPPY TIME」が16歳の10月でした。
今作は17歳の1月の録音です。
今どきたった8ヶ月で3枚のアルバムをリリースするって珍しいんじゃないかな。
それだけ注目されていた証拠ですね。

Venusレーベルのスタンダード作品集の第二弾です。
さすがに大スタンダード集なので消化不良になった部分もありました。
惜しかったのは(5)「MY FUNNY VALENTINE」で解釈は新鮮でもやや迷いを感じました。
タンゴ・・・意図は分かるんだけどねぇ~・・・いまひとつ突き抜けなくて残念です。
特に素晴らしかったのは(2)「GREEN CHIMNEYS」でこれにはインパクトがありました。
ドラムとのコンビネーションは圧巻です。
これを聴いたら誰もがカフィーソの天才を疑わないと思います。
あと、ドラマーのニコラ・アンジェルッチにも注目しました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

FRANCESCO CAFISO QUARTET / HAPPY TIME [Jazz Alto Sax]

*FRANCESCO CAFISO QUARTET / HAPPY TIME

s99.jpg

francesco cafiso(as)
riccardo arrighini(p), aldo zunino(b), stefano bagnoli(ds)
2006/CamJazz/

1 Louisiana
2 She Loves Me
3 Happy Time
4 Anabel
5 Blues For Angel
6 Sir Charles
7 Goodbye Elvin
8 The Bear

さかのぼって聴くフランチェスコ・カフィーソの第四弾です。
先日紹介したVレーベルの「NEW YORK LULLABY」の録音が16歳の6月で今作は10月です。
前者が全曲スタンダードならこちらは全曲カフィーソのオリジナルになっています。
一対のアルバムと考えてもいいかもしれませんね。

(3)「HAPPY TIME」を除いては全て誰かに捧げる曲になっています。
(1)「LOUISAINA」はジェームス・ウィリアムス(p)、(7)「GOODBYE ELVIN」はエルヴィン・ジョーンズ(ds)、(5)「BLUES FOR ANGEL」はお父さん、(2)「SHE LOVES ME」はガールフレンドといった具合です。
そんなことを考えながら演奏している時が「一番幸せ」ということなんでしょうね。

聴いてみるとカフィーソは作曲家としても非凡な才能を持っていました。
やはり相当違う・・・普通じゃない・・・ただ上手いだけのジャズ好きな若者ではありません。
緩急を問わない抜群のリズム感といい、多彩で自由自在な表現力といい、まだまだ成長途上です。
前述の(7)「GOODBYE ELVIN」なんかもいい感じで聴けました。
言い古された言葉でも使うしかないですね・・・「とても16歳には思えない。」
ジャズ全盛期の50年代に出現した多くのジャズ天才児に匹敵するのではないかな。
これからどう成長していくのか、本当に楽しみです。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

FRANCESCO CAFISO QUARTET / NEW YORK LULLABY [Jazz Alto Sax]

*FRANCESCO CAFISO QUARTET / NEW YORK LULLABY

s97.jpg

francesco cafiso(as),
david hazeltine(p), david williams(b), joe farnsworth(ds)
2005/Venus/

1 Lullaby Of Birdland
2 Reflections
3 Polka Dots And Moonbeams
4 My Old Flame
5 Estate
6 What's New
7 Imagination
8 Willow Weep For Me
9 Speak Low

さかのぼって聴くフランチェスコ・カフィーソの第三弾です。
カフィーソの日本デビュー盤は16歳の時、今からもう7年も前のことになるんですね。
もちろん、このアルバムの存在は知っていましたがノーマークでした。
改めて聴いてみるとこれも良かったです。

Vレーベルの特徴であるスタンダード作品集。
バックはデヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、デヴィッド・ウィリアムス(b)、ジョー・ファーンズワーズ(ds)というものでエリック・アレキサンダー(ts)ならそのまま「ジェントル・バラード」になるかな。

カフィーソはまず音色が実に鋭角的で若々しく漲る力強さがあります。
ソロも恐ろしいほどスムーズで驚くしかありません。
多分、メンバーからは「好きなように吹いていいよ」って言われていたんでしょうね。
各曲にカフィーソの感性が溢れています。
鋭く突き刺さる音色は老体には堪えるけれど心にもビンビン響いてくる。

・・・ベストは(5)「ESTATE」・・・
つい、「あ~、いいなぁ~」とつぶやいてしまいました。
これほど刺激的で魅力的な「エスターテ」は聴いたことがありません。
「エスターテ」(夏)はイタリアのピアニスト、ブルーノ・マルティーノの作品です。
やはり、イタリア人の心はイタリア人が一番よく分かるということですね。
ここでも定番のボサノバのリズムで演奏されましたがこれは本当に素晴らしかった。
(7)「IMAGINATION」はピアノとのデュオなんだけどここにも才能がきらめいていました。
モンクの(2)「REFLECTIONS」や(6)「WHAT'S NEW」のバラードも良かったです。
(8)「WILLOW WEEP FOR ME」のハジケ具合も半端じゃない。
他にも聴きどころがいっぱいで1曲が終わるたびに「うーん」と唸ってしまいました。
やっぱり凄い・・・ウィントン・マルサリス(tp)が「イタリアで見つけた宝石」と言ったらしい。

ひとつ言えることはカフィーソはもうこのようにストレートにスタンダードは
吹かないのではないかということです。
そういう意味でも貴重なアルバムといえるのかもしれませんよ。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

VINCENT HERRING QUARTET & QUINTET / NIGHT AND DAY [Jazz Alto Sax]

*VINCENT HERRING QUARTET & QUINTET / NIGHT AND DAY

image1166.jpg

vincent herring(as), jeremy pelt(ts)(1,3,4,6,8,10),
mike ledonne(p), brandi disterheft(b), joe Farnsworth(ds)
2015/Smoke Sessions Records/

1 Grind Hog's Day (G.Fisher)
2 Night And Day (C.Poter)
3 The Adventures Of Hyun Joo Lee (V.Herring)
4 Walton (M.LeDonne)
5 The Gypsy (B.Reid)
6 Fly, Little Bird, Fly (D.Byrd)
7 Wabash (C.Adderley)
8 Theme For Jobim (C.Walton)
9 There Is Something About You (A.Allen)
10 Smoking Paul's Atash (V.Herring)

久々にヴィンセント・ハーリング(as)のリーダーアルバムを買ってみました。
共演はジェレミー・ペルト(tp)とマイク・ルドン・トリオです。
ハーリングはストリート・ミュージシャン出身で力強いアルトの音色が特徴です。
自他共に認めるキャンボール・アダレイ(as)の崇拝者です。

突き刺さるようなアルトの音色は健在でハーリングは鋭さを増しています。
ペルトとは共演の機会も多くいわば盟友の関係にあります。
力強く鳴り響くトランぺッターのペルトとは似たもの同士といえるでしょうか。

ここはワン・ホーンの出来が良いと思います。
ベストはテーマが印象的な(9)「There Is Something About You」です。
ルドンはエレピを使用、ハーリングとルドンのソフトな演奏が聴きどころになりました。
アップテンポで強烈にスイングする(2)「Night And Day」は新鮮でした。
バラードの(5)「The Gypsy」も良かった。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

LEE KONITZ. BRAD MEHLDAU. CHALIE HADEN. PAUL MOTIAN / LIVE AT BIRDLAND [Jazz Alto Sax]

*LEE KONITZ. BRAD MEHLDAU. CHALIE HADEN. PAUL MOTIAN / LIVE AT BIRDLAND

image448 (1).jpg

lee konitz(as), brad mehldau(p), charlie haden(b), paul motian(ds)
2011/ECM/

1 Lover Man
2 Lullaby Of Birdland
3 solar
4 I Fall In Love Too Easily
5 You Stepped Out Of A Dream
6 Oleo

何も言うことはありません。
名盤です。

「レビュー時のコメント」
このアルバムを今年の「みんなのベスト3」に見た時、「あ~、まずい、まだ聴いていなかった」と思いました。
見逃しているのが恥ずかしくなったし、個人的に聴かなきゃいけないアルバムだと思いました。
「聴かなきゃいけないアルバム」なんてめったにあるもんじゃありませんよ。
それほどこの作品には深い意味が込められているんです。

これはほとんど奇跡的、歴史的なアルバムだと思います。
まずはECMのプロデューサーのマンフレート・アイヒャー氏の着眼点に敬意を表します。
この組み合わせはジャズ・ピアノ界の大きな流れを表しているのではないか。
ジャズ・ピアニストの流れの一つにレニー・トリスターノ~ビル・エバンス~キース・ジャレット~(ミシェル・ペトルチアーニ)~ブラッド・メルドーがありますね。
つまりこれを具現化したアルバムだと思うのです。
レニー・トリスターノ派の重鎮リー・コニッツ(as)とビル・エバンス&キース・ジャレット・トリオのポール・モチアン(ds)、同じくキース・ジャレット・トリオのチャーリー・ヘイデン(b)に新世代新感覚のブラッド・メルドー(p)を組み合わせる。
加えてヘイデン、コニッツ、モチアンにはフリーの流れ(オーネット・コールマン、ジョン・コルトレーン)もあります。
まさに夢のような組み合わせで実現できるのはアイヒャー氏だけだったかもしれません。
兎にも角にもリー・コニッツが元気でいたことが大きいです。
今年、ポール・モチアンさんが亡くなりました・・・もうこの組み合わせはあり得ない。
ジャズの黄金時代を飾った人が少しづつ消えていく現在、よくぞこのライブ録音を世に出してくれました。

聴いてみると凄く良かった。
コニッツもこれだけ吹ければもう十分・・・ちょうどいい案配のゆるみ加減です。
みんながリラックスしていて気持良さそう・・・実に居心地のいい空間が広がっています。
本来あるべき緊張感があまり感じられず、むしろ各人の思いやりというか、やさしい雰囲気が漂っていました。
コニッツやモチアン、ヘイデンは息子を見守る感じ、メルドーには畏敬の精神が溢れています。
「おい、あとは頼むよ」~「分かった、大丈夫」・・・お互いに伝え合うものがあったと思います。
・・・時は流れる・・・ジャズは世代を超えて繋がっていく・・・
私も色々と思うところがあってホロリとしそうになりました。
いずれは涙なくしては聴けないアルバムになるかもしれませんね。

孤高の怪物リー・コニッツも85歳になりました。
あと残るチャーリー・パーカー直系の大物アルト奏者はルー・ドナルドソン(85歳)だけかな。
その次に続くのはフィル・ウッズの80歳です。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

GIGI GRYCE & DONALD BYRD QUINTET / JAZZ LAB [Jazz Alto Sax]

*GIGI GRYCE & DONALD BYRD QUINTET / JAZZ LAB

sonet765.jpg

gigi gryce(as), donald byrd(tp),
hank jones(p), paul chambers(b), art taylor(ds)
2010(1957/Rec)/Jubilee/

1 Blue Lights
2 Onion Head
3 Isn't It Romantic
4 Bat Land
5 Bangoon
6 Imagination
7 Xtacy

ジャズ廉価版、999シリーズの1枚です。
ジジ・グライス(as)はリーダー作が少なくて過小評価されているジャズ・マンの一人だと思います。
この特徴あるジャケットは昔LPでよく見かけたことがあったので初CD化と聞いて驚いてしまいました。
今作はドナルド・バード(tp)&ジジ・グライス(as)のフロント2管、ハンク・ジョーンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)という垂涎もののメンバーです。

ジジ・グライスが率いるジャズ・ラブの正式名称は「Jazz Laboratory」・・・ジャズ実験室というもの。
それにLOVEを引っ掛けて「Lab」・・・いかにも知的なグライスにはピッタリの命名です。
このジャズ・ラブはアレンジを重視していてクールで魅力的なサウンドを創り出しています。
演奏ではドナルド・バードやジジ・グライスの抑制されたクールな音色が聴きどころになります。
今聴いても十分に通用するし古さはあんまり感じません。
それほど好センスで洗練されたサウンドを聴くことができます。
このジャズ・ラブはピアニストに特徴があってここのハンク・ジョーンズの他、トミー・フラナガンや初期にはデューク・ジョーダンなどが参加していました。

(1)でグライスの名曲「BLUE LIGHTS」が聴けること、バードの(7)「XTACY」も名演ですが、さらにドナルド・バードとジジ・グライスのワン・ホーンが1曲づつ入っていて小憎らしいほどの演出です。
バードのワン・ホーンの(3)「ISN'T IT ROMANTIC」にも参ったけど、(6)「IMAGINATION」に痺れました。
グライスのワン・ホーンで演奏されるこの曲には新たな発見がありました。
解釈と表現力が新鮮・・・頼りなく危なっかしい奏法と繊細な音色が絶妙な緊張感を生んでいます。
フランク・シナトラの歌で有名なんだけれどこんなにモダンで美しい曲だったとは・・・・。
ハンク・ジョーンズのピアノにも雰囲気あります。
この2曲のためだけに買っても惜しくないと思いますよ・・・999円は安過ぎる。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

---------------------------------------------------------------------------

余談

こういうのを聴くとマイルス・デイビス(tp)の名盤「クールの誕生」の重要性がよく分かります。
ビ・バップの最盛期に吹き込まれたこの作品がいかに多くのジャズ・メンに影響を与えたのか。
ギル・エバンス(arr)やジェリー・マリガン(bs)、ジョン・ルイス(p)などのアレンジが素晴らしかった。
アドリブ一辺倒からサウンド重視に変わった瞬間です。
ジェリー・マリガンは西海岸でピアノレス・カルテット、ジョン・ルイスは室内音楽的なMJQを結成、 参加していたリー・コニッツ(as)はレニー・トリスターノ(p)派に走ることになります。
その後上記のジャズ・ラブやジョージ・ラッセル(arr)のジャズ・ワークショップに繋がっていくことになりました。
ちなみにマイルスはギル・エバンスと共に何枚もの名作を生み出すことになります。

この「Birth Of The Cool」は1950年録音も”売れっこない”との理由でお蔵入り。
世に出たのは6年後の1956年でした。
マイルスの「才能があれば黒人も白人も関係ない」というのは当時の黒人にしては斬新な発想らしい。
やっぱりマイルスは人よりも一歩も二歩も前を歩いていたということですね。

FRANCESCO CAFISO QUARTET / 4 OUT [Jazz Alto Sax]

*FRANCESCO CAFISO QUARTET / 4 OUT

s104.jpg

francesco cafiso(as,fl,ss),
dino rubino(p), paolino dalla porta(b), stefano bagnoli(ds)
2010/ABEAT Records/

1 Everything I Love
2 Enigmatic Night
3 King Arthur
4 How About You
5 I Hear A Rhapsody
6 Bach's Flower
7 Just In Time

アッと驚く為五郎・・・恐れ入谷の鬼子母神です。
大きな勘違いをしていました。
私は気が付くのが遅いです。
改めて先入観念は良くないと実感しました。

昨年のベスト3にフランチェスコ・カフィーソ(as)の名前がありました。
で、一気に興味が湧いてきたんです。
デビュー時には天才の誉れが高く、日本のVレーベルから何枚か出ているのも知っていました。
でも、まだ10代ではただ上手いだけなんだろうとたかをくくっていたのも事実です。
私は天才といわれるだけで引いてしまうところもあります。
ミシェル・ペトルチアーニ(p)以来、真の天才に出合ったことがないから・・・。
そんなこともあってカフィーソを聴いたのは初めてです・・・ユーチューブを見たこともないし。

ベスト3のアルバムを買おうと思ったら3000円以上のお値段、えらく高いんですね。
ユーロ安や円高はどこに行ったと思いましたよ。
それならばと選んだのが2010年に発売されたこのカルテットです。
正直、驚きました・・・文句なしの本物・・・カフィーソは正真正銘の天才だったかもしれません。
ここに収録されている全てが素晴らしかった。
これだけ完成度の高いアルバムは珍しいと思います。

今作は全7曲、スタンダード4曲とオリジナル3曲の構成でバランスがいいです。
各人のソロ・スペースも十分で現在のカフィーソの音楽性やスタイルを聴くことができました。
まずは(1)「EVERYTHING I LOVE」で力強く鋭角的なアルトの音色が飛び出してきました。
圧倒的な迫力のある音色・・・一発一瞬で心を鷲づかみされた感じです。
続く切れ味鋭いピアノ・ソロやベース・ソロも素晴らしかった。
実際、どのトラックも聴きどころが多くて目移りしてしまうほどです。
オリジナルも多彩な音楽性を持っているので作曲家としての才能も感じます。
ベスト・トラックはオリジナルの(3)「KING ARTHUR」でしょうね。
ここでのカフィーソのソロ・アルト・プレイがもの凄い、
アタックの強さ、表現力の多様さにたまげてしまいました。
驚異的なインプロビゼーションに鳥肌が立ちましたよ。
ピアノ・トリオが入ってくると益々その勢いが増してきます。
バックも強烈な反応を示していてこれはもう素晴らしい演奏が聴けました。
実は10分強のこの曲が一番長いですがカフィーソのソロがあまりに凄いのであとのメンバーのソロがかすんでしまった感が強いです。
同じくオリジナルの(2)「ENIGMATIC NIGHT」でのバラード・プレイもまたいいんだな。
見事な抑揚感でとても20歳ソコソコとは思えない落ち着きです。
溢れ出る情感とよどみないフレーズ・・・やっぱりこの人の才能は尋常ではなかった。
(4)「HOW ABOUT YOU」はベースのダウリノ・パラ・ポルタやピアノのディノ・ルビノに焦点が当たります。
ここではルビノのピアノが聴きどころになりました。
(7)「JUST IN TIME」もまた強烈な印象を残しました。
原曲の面影はほとんどなしで全身全力で疾走します。
カフィーソの自由奔放なアルト、大胆不敵なルビノのピアノ、強靭なポルタのベース・プレイ、常に多弁で強力なリズムを押し出すステファノ・バグノリも素晴らしいです。
何しろこのカルテットには参った。
一味どころか、二味、三味も違う・・・実に魅力的なグループです。

これからカフィーソはどうなっていくのか?・・・大きな可能性を秘めていると思います。
最近はあまりショックを受けるプレイヤーは少なくなりました。
久々に過去にさかのぼって聴きたくなったプレイヤーが現れました。
「10で神童,15で天才,20過ぎたらただの人」じゃないみたいです。

リー・コニッツ(as)が衰えたと思ったら次世代にカフィーソが出て来たのは不思議な因縁を感じます。
なにしろ音に力があるし、アタックの強さが尋常ではありません。
現状に満足せず・・・今後は間違いなくフリーにも足を踏み込んでいくと思います。
というか、そうなって欲しいです。
真にコニッツの後継者になれるかどうかはそれにかかっているんじゃないかな。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(まじめ系)

GARY BARTZ QUARTET (HEADS OF STATE) / SEARCH FOR PEACE [Jazz Alto Sax]

*HEADS OF STATE / SEARCH FOR PEACE

image1165.jpg

gary bartz(as), larry willis(p), buster williams(b), al foster(ds)
2015/Smoke Sessions Records/

1 Impressions (J.Coltrane)
2 Uncle Bubba (G.Bartz)
3 Search For Peace (McCoy Tyner)
4 Capuchin Swing (J.McLean)
5 Soulstice (G.Bartz)
6 Crazy She Calls Me (C.Sigman/B.Russell)
7 Summer Serenade (B.Carter)
8 Lotus Blossom (B.Strayhorn)
9 I Wish I Knew (H.Warren/M.Gordon)

「HEADS OF STATE」・・・あれ~、こんなグループがあるのかと思いました。
ゲーリー・バーツ(as)、ラリー・ウィリス(p)、バスター・ウィリアムス(b)、アル・フォスター(ds)がメンバーです。
私にとっては懐かしい名前と顔です・・・ちょっと重たい気もするけど・・・
裏を見てみると「Impressions」が最初に入っていたので決まりです。
私はコルトレーンのこの曲が入っていると必ず買うことになります。
もっともこのメンバーなら間違いないと思いましたが・・・。

全9曲はトレーン、マッコイ、マクリーン、ベニー・カーターの曲が取り上げられていました。
その他バーツが2曲、スタンダード3曲の構成です。
予想通り、がっちり、ずっしりとした重厚なサウンドを聴かせてくれました。
バーツの枯れてかすれた感じのアルトの音色がいいです。
ウィリスのマッコイライクなピアノ、バスターはエレキとアコースティック・ベースの両刀遣いか、
フォスターの堅実かつ確実なドラミングも聴きどころになりました。

ベストはオリジナルの(5)「Soulstice」かな・・・バーツ、ウィリスが軽快に飛ばします。
マクリーンの(4)「Capuchin Swing」(お猿ジャケで有名)も面白かったです。
手慣れている感じで、これを聴いているとコルトレーン~マクリーン~バーツの流れもあったと思います。
スタンダードの(6)「Crazy She Calls Me」ではバーツのバラード奏法が満喫出来ました。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(中間系)

MASAHIRO FUJIOKA QUARTET / MINDSCAPE [Jazz Alto Sax]

*MASAHIRO FUJIOKA QUARTET / MINDSCAPE

s226.jpg

藤陵雅裕(as,ss)
福田重男(p)、高瀬裕(b)、安藤正則(ds)
2008/Phoca Music/

1 Dear My Friend
2 What's Going On
3 Lament
4 It Don't Mean A Thing
5 Triangle
6 Smile
7 Morwegian Wood
8 Escape To Paradise
9 St.Thomas
10 Too High
11 Irreolaceable Days

最近はライブ・ハウスでCDを購入することも多いです。
タイミングが合えばサインをもらうことにしています。

藤陵雅裕(as,ss)さんの持つ明るくて爽やかな音楽性を満喫することが出来ました。
マービン・ゲイやスティービー・ワンダー、ビートルズの曲が入っていて、オリジナルやスタンダードとの構成がとてもいいです。
1曲目にバラードがくるというのは珍しいかな。
普通はテンポが良くてリスナーが入りやすい曲を配置するパターンが多いと思います。
それだけ思い入れの深い曲ということでしょうね・・・印象的な美しい曲想を持っています。
ゲイの(2)「WHAT'S GOING ON」やスティービーの(10)「TOO HIGH」のアレンジがまた面白いです。
その他にも(6)「SMILE」や(7)「NORWEGIAN WOOD」など、オリジナルを含めて聴きどころがいっぱいでグッと引きつけられてしまいました。
アルト・サックスとソプラノ・サックスの持ち替えということで目先も変わるし飽きさせません。

艶やかな音色とよどみないフレーズ・・・つくづく藤陵さんは名手だと思います。
福田重男さんの美しく、メロディアスなタッチとスイング感溢れるピアノ、安藤正則さんの疾走感のあるドラムス、高瀬裕さんの堅実で安定感のあるベース、メンバーのバランスも良く聴き味のいいアルバムでした。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)

AYUMI KOKETSU QUARTET / DAYBREAK [Jazz Alto Sax]

*AYUMI KOKETSU QUARTET / DAYBREAK

sonet33.jpg

纐纈歩美(as)
納谷嘉彦(p)、俵山昌行(b)、マーク・テイラー(ds)
2011/M&I/

1 Daybreak
2 Subconscious-Lee
3 Embarcadero
4 How Deep Is The Ocean
5 ハナミズキ
6 Evidence
7 After Dark
8 I Can't Get Started
9 Out Of Nowhere
10 Ezz-Thetic
11 Oleo

先日のライブ会場で入手しました。
一聴した途端にその音色に惹かれると思います。
繊細でひ弱で危なっかしい感じがするけれど、なんだかジワ~っと心に沁みるんです。
この感覚はいったい何だろうね?
やさしくまろやかで癒し系・・・でもなんか支えてあげたい気持になりました。
そういえば最近、似たような音色を聴いたことがあったなぁ~。
「Benjamin Drazen(as) / Inner Flights」(2011/Posi-Tone)
レニー・トリスターノ(p)派の超クール・サウンドとポール・デスモンド(as)の音色のミックス・タイプか。
近年、こういう奏法が流行っているのかもしれません。

選曲もよく考えられていて面白いです。
オリジナル2曲、スタンダード3曲、ジャズ作品5曲に日本のポップスが1曲です。
ジャズ作品はリー・コニッツ(as)、ポール・デスモンド(as)、セロニアス・モンク(p)、ジョージ・ラッセル(p,arr,com)、ソニー・ロリンズ(ts)が選ばれました。
ここで注目されるのはコニッツの(2)「SUBCONSCIOUS LEE」とラッセルの(10)「EZZ-THETIC」でしょうね。
とても20代前半(23歳)の女性が選ぶとは思えないのでこれだけでも勇気があります。
モンクの(6)「EVIDENCE」を含めていずれも一筋縄ではいかない難曲です。
纐纈さんの意欲とこだわりの表れか・・・若者らしく挑戦する姿勢が素晴らしい。
大ヒット曲の(5)「ハナミズキ」は特に女性に人気のある曲です。
纐纈さんもカラオケなどで歌っているんではないかな。
このしっとりとした表現力も聴きどころになりました。

バックのトリオも実に落ち着いたプレイ振りで好感が持てました。
特に納谷嘉彦(p)さんの絶妙なバッキングが光ります。

「ドラ流目立たないけどいいアルバム」

(くつろぎ系)